凛さんは移動することもなくずっと外を眺めるだけだった。

そのうち僕のほうも退屈になってしまって、少しずつ凛さんの傍に寄った。

凛さんは先ほどの殺気が少なくなっていて、今では忘れたけど多分僕も安心したのか、2人分の感覚をあけて凛さんの隣に座った。

「あの…」

僕が凛さんの顔をうかがうように声をかけるとゆっくりと僕に振り向いた。

目を見ると喉がつっかえてしまって声はかすれて言葉にならなかった。

今にも僕が触ろうとすれば、壊れてしまいそうな…その前に僕の腕を切断されてしまいそうなそんな雰囲気…

凛さんは僕が喋らないと分かったのか再び窓の外に目を向けた。

凛さんが何を見ているのか知りたくて、僕も黙って窓の外を見た。窓の外には色とりどりの花が咲いていて、時折風で花が揺れた。

目の前には小さな子犬がいて日当たりのいいところで寝ていた。

気持ちよさそう…。僕も庭で寝たい。

ふとそう思って僕は立ち上がって静かに子犬の傍に寄った。
子犬はすやすやと眠っていて僕も急に睡魔が襲ってきた。

「きもちいいーっ」

子犬の横に寝転がりうーんと背を伸ばした。

そのときに草を踏みしめる音が聞こえた。

その音は僕の目の前で止まり、とさっと音がしてそれは横たわった。

「あ…」

凛さんが僕の目の前に倒れて子犬に触れようとしていた。
けれど、小さく金属音がなったと同時に凛さんは手を引っ込めた。

よくよく手首をみると凛さんには手錠がはめられていた。

「…おにいさん?」

凛さんは何も答えずに虚ろな目で子犬を見ている。
やはりその目は何を言いたいのかわからなくて背筋がぞっとする。







僕の2番目の兄様は、その1年後、僕たちの敵となりました。