「アスベル族か…その様子なら水希に聞いたな」

「あぁ、深緑色の髪と瞳だと聞いた」

「あいつは本当にシンの神子だよ。だけど…半 人 半 妖 だから髪や瞳が黒いのさ。」

「え…?」

半妖って…

「意外と冷静なんだな」

零はくすりと笑った。

「いや…今の話で納得したっていうか…うーん…」

「…昔々、コルディア族でシンの神子について研究していたやつらが、神子を捕まえていろいろやってました。そして、何を思ったのか、研究所のやつらは、ある日妖魔の血と肉を身体にいれたらどうなるのか実験しました。」

零は物語を語るかのように話した。

「そして実験は成功し、とうとう妖魔のような人間が誕生しましたとさ。」

「それが…霜崎凜」

「そうゆうこと」

零は濡れたタオルを桶の中に入れて身体を起こした。

「水希はまだ5歳で詳しい事情は言わないほうがいいと思って何も言ってない。と言っても、水希自身が凜に近づくこともなかったし…」

「俺も兄だったらそうするな。」

「ふ…凜はある人の願いで騎士に入団させたが、あいつにとって任務は食事としか思わなかったみたいだ」

「食事?」

「凜は妖魔の血を舐めれば2日は食わずに生きれる。」

「妖魔を食う半妖か…」

零は桶の中のタオルを絞り目元に乗せる。

「なぁ、零。水希が心配してたぞ」

「何を?」

「ロキはきっとお兄ちゃんを殺すつもりだって。多分ロキが脱獄した時からずっと思ってたのかもな…」

「…悪者に怨まれる役だからなー。」

力のない笑いをして零は再び横になった。

「はぁ…水希に心配されるなんて…駄目なお兄ちゃんだな…」

「そんなことないよ」