シャワーと食事を終えて俺は司令室のドアをノックした。
中から低い声で「入れ」と聞こえ、扉を開けた。
ソファーに横たわり濡れたタオルを目元においた零が視界に入る。
やっと戻ってきたか…
「零、ちょっと話があるんだけど」
「…悪いがこのままの姿勢でいいか?」
「構わないよ。」
俺は零の反対側のソファーに腰掛けた。
「俺、昨日道化に襲われた。しかも前言ったやつらと違う模様のやつにさ」
「捕まえたの?」
「それが取り逃がした。俺は手錠かけられて、援護にきたマリアが応戦した」
「手錠?」
「道化が俺は道化の仲間だと言ってきて手錠をはめられた。」
零はタオルを右目の部分だけ上げた。
隈が酷く眉間にシワが寄っている。
「もちろん俺はあいつらの仲間じゃない」
「…」
零は無言で再びタオルを被せた。
「道化達がロキ=ロレッタを逃がしたようだ」
「あぁ、やっぱり。予想はついていた。」
「…なぁ、質問していいか?」
「なんだよ、いきなり」
「凜ってどんなやつだったんだ?」
水希と同様しばらく無言になった。
「…なんでそんなことを聞きたがる?」
「凜はロキの協力者だから何か分かるんじゃないかと思って調べている」
零はタオルの上に腕を乗せてしばらく唸ってから口を開いた。
「心臓のある人形」
「は?」
「人間という表現が出来ない。だから心臓のある人形。凜は人を近づけさせないし極力関わろうとしなかった。まぁ、あいつの過去がそうさせたんだろうな。」
「過去?」
「…口が滑った。」
零は深いため息を漏らした。
「凜は本当はアスベル族ということか?」
「あいつはシン族だ」
俺の質問に素早く突っ込まれた。
じゃぁ何故髪と瞳が黒色――――?

