――――そして今に至る。


あれから1ヶ月シン族にばれないように薫と沙羅は変装して、一緒に妖魔退治と調査を続けている。



が、何も起きていない。



あれほどの戦争を起こしていた人物だから、早々と仕掛けてくると騎士の皆は思っていた。
それなのに、他の國で任務をこなしている皆からの連絡もなく、薫達はいつもと変わらない日々を送っていた。



「今夜も収穫0だと、シンには来ていないかもしれないわね。」


沙羅は濡れた髪をタオルで拭きながらリビングに現れる。



先にシャワーから出ていた薫はソファーに座ってシンの地図を眺めていたところだった。


「ぬかよろこびはいけないと思うけど?」

地図を開き、隅々と見回す。
この國はほとんどが森や林に囲まれていて人が住める地域は限られている。
けれどその分隠れるには最高の地域だ。

沙羅は頬をぷぅっと膨らまして、薫の隣に勢いよく座った。



「でもほとんどと言うぐらい見て回ったわよ。これ以上何処を探せばいいのよ?」


「沙羅にしては弱気な発言だよな?」


「そうかしら?」

沙羅の細い長い指が地図の上を這う。


長く品やかな指は数多くの街の名前をなぞっていき最終的に現在地の國の西側で止まった。

「今なぞった場所が調査した街。けれど何も出てこないわ。」


「…」

ぐぅの音も出ないということはこうゆうことをいうのか。

「…私、先に休息をとるわ。あまり初っ端から気合入れすぎると早死するわよ、新人。」


沙羅は再び立ち上がり部屋へと歩き出した。

「お前は気合なさすぎんだよ!」

沙羅は後ろ向きで手をひらひらと振ってから振り返ることはなくドアを閉めた。



それを見届けた後、薫は静かなところで考え事をするため外へとでた。