「痛い、痛いって!!もうちょっと優しく!!」

女の顔は右目の部分が青くなって腫れ上がっている。
それを髪が緑色をした男がぺたぺたとタオルを当てている。

「だぁもう、うるさいな!文句言うなら他のやつに頼めよ!」

「しょうがないじゃない!もうどうしよー!お嫁いけなーい!」

女は自分の腫れあがった目を水鏡で見て涙目になった。

「沙羅、見事に腫れたね。痛そう」

ひょっこりと赤い髪をした女が怪我をした女の傍によった。

「リオー!!もう聞いてよ!マリアのやつ本気で殴るのよ!痛いったらありゃしないわ!」

「そりゃあの人からしたら私たち敵だから仕方ないんじゃないかしら」

「でも私女よ!手加減してもいいと思うわ!」

「はぁ…もうちょっと静かにしてくれないか。ロキが起きてしまうだろ」

男は横で妖魔を枕にして眠っている子供に目をやってから沙羅の目に再び濡れたタオルをあてる。

「明日も皆に会うのよ?休みの私がこんな顔してるなんて明らかにおかしいじゃない!…あ!ねぇ、キトスさんはいないの?キトスさんなら見た目はなんとかなるし!」

「俺に何か用?」

森の奥から青い髪の男と、くすくすと隣で先ほどの男と容姿がよく似た男が現れた。

「ねぇ、キトスさん!目、目なんとかして!!」

女がキラキラとしたまなざしを男にむけるとタオルを持っていた男は、はぁと小さなため息をもらした。

「うーん。残念だけど、俺らの能力は癒す力だから痣は無理かな…。」

「えぇ?!そんな…」

「レオ。意地悪してないで治してあげなよ。シン族は怪我を治す能力でしょ?」

赤髪の女が言う。

「…わかったよ。あんまり得意じゃねーんだけど。痣の色薄くしてやるからこっち向いて」

男は女の目を包むように手をかかげ、痣を薄くする。

「わぁ!ありがとう!」

痣の色が薄くなり、大分マシになった女は、その場で立ち上がりローブを脱いだ。

「じゃぁ、あたしは夜が明ける前に帰るわ」

「また、明日。」

赤髪の女は小さく手を挙げて女を見送る

女も小さく手を挙げて森の中へと消えた。




星のマークの片目だけつぶれた面とローブを置いて。