話は数日前に遡る__
数日前、古都薫とその他の騎士達は司令官の霜崎零に会議室に呼び出されたのだった。
定期会議(別名報告会議と呼ばれる)以外の緊急に収集される会議はそう滅多にない。
緊急会議だけでも嫌な予感はするものだが、さらに零の表情は暗かった。
何かがおかしいのは誰もが感ずることだった。
その空気を破るかのように古都薫は新人ながらも司令官に言った。
「…何かあったの?」
零は少し顔を上げてため息をついた。
「――――…」
それから口をつむぎ、なかなか答えようとはしなかったが、しばらくして決心がついたのかプリントから目を離して会議に集まった皆に向かって話しを始めた。
「ロキ・ロレッタが何者かの協力を得て逃亡した。」
「ッ___」
会議室にいる総ての人間は顔を強張らせた。
空気は一瞬で冷えきった。
ロキ・ロレッタ、それは3年前大量の妖魔をつれてコルディア帝國に攻め入ったアスベル族のこと。
たった一夜の出来事だったが、多くの兵士が亡くなった戦いだった。
大量虐殺の犯人が逃亡など3年前の悲劇が繰り返されてしまうだろう。
兵団だけではなく、妖魔との戦いに精通する騎士団にも命が下されるのは妖魔に近い関係からだろう。
「今回は短期出張を兼ねた指令任務、ロキ・ロレッタと協力者の捜索及び拘束。これは極秘の令だそうだ。変に人々を煽るのはよくないからな…。」
皆は、少し俯いた。
零はプリントを配布した。
「ざっと役割分担を説明すると…コルディア帝國は俺。ベルリク帝國はマリア、ミラ帝國は皇紀と水希。」
指名されたマリア・バレットは桃色の髪が特徴のベルリク族の騎士。意地悪っぽいところが鼻につくが、根はとても優しく正義感が強い人柄だ。
暮内皇紀はコルディア族の騎士で年は11歳と若いが、薫との実力差はほぼ同じくらい。
薫は皇紀との実力差を考えるといつも悲しく感じていた。
もう1人の霜崎水希は淡い青色の髪のミラ族の騎士。
零の実の弟でまだ姿は幼いが妖術は副司令官のアリア程の実力と聞いている。
だから零は重要な仕事をいつも水希に任せる。
けれど、今回は違った
「アスベル帝國はアリアと清」

