ギャアアアアアアアアアアアア
「はぁ…はぁ」
くそ…さっきの話を聞いてからなんだか妖魔の数も多く感じる。
グルゥギァァァァァァ
「くそ、またかよ!」
木々の脇から新たに現れた妖魔は既に何かを食べた後のようだ。
口にべっとりと赤い液体が垂れてやがる。
「ギシィ、血ヲグレェェ」
毎度の如く妖魔の叫びが脳内に直接流れてきた。
毎回思うがこれはきつい。
「…あぁ、くれてやんよ。」
もう血に染まった俺の剣をたらしながら妖魔にむかって走る。
「てめぇの血をなぁ!」
地を斬る勢いで剣を左下から右上へ振った。
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア
妖魔の悲鳴とともに血しぶきは俺のコートを汚した。
「…居なくなったか?」
周りを見渡し妖魔の気配を探るが妖魔はいないようだ。
息を吐き剣についた血を払う。
「任務完了…沙羅んとこ行くか」
剣をしまい沙羅が担当している西に向かって進んだ。
森は静まりかえり梟の鳴き声が妙に響き渡っている。
ふと、先程の話が頭に浮かんできた。
どうしても、あのときの水希の反応が気になる。
何故、零が凜の事を話したときあのような表情をしたのか…。
零が嘘を俺に説明したのか?
いや、嘘と言うより、“何か”をまだ説明してないような感じだった…
俺に言えないような何か…?
「キャアアア!」
森の奥から人間の悲鳴。
「今のは…北か?」

