「う…」
うっすらと目をあけると目の前には真っ白な天井。
手からは点滴のチューブが出ていて、どくどくとチューブから血管へ液体が入っていく。
−−−−点滴…?病院、なの…?
隣には静かに寝ている皇紀がいた。
酸素マスクをはずして皇紀に近寄ろうとした。
全身の力は抜けて床に倒れた。
「力…入んない」
体は重く到底歩けそうになかったので、床を這った。体はうまく動かず前進するどころか、腕が滑るだけだった。
「これじゃ…まな板の上の魚だよ…」
動くのをやめたときに誰かの足が見えた。
目の前には薫が立っていた。
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「ただいま〜…っていない?」
「まさかの私達が1番?」
薫と沙羅が本部にたどり着くと、誰ひとりいなかった。
2人は会議室に集まっているのかと思い会議室の扉も開けてみるとそこにも誰ひとりいなかった。
「何かあったのかな?」
本部に人がいない時は大抵街に妖魔が侵入しているとき。
けれども、街には妖魔の姿などないし、住人も避難するような行動はしていなかった。
「皆何処に行ったんだ?」
その時1人の蓮(主に連絡事項や事務などの仕事を担当する人)が廊下を走っていた。
「おーい!何かあったの?」
沙羅が蓮に声をかけると蓮は青白い顔をして答えた。
「水希様と皇紀様が、襲われて意識不明の状態です。皆様は病院にいます。」
「え?!皇紀と水希が?!」
沙羅はすうっと顔色が変わり薫の手を掴むと来た道を戻り始めた。
「薫、早く行くよ!!」
「あ、ああ!」
薫と沙羅をつなぐ手はかすかに震えていた。
それは薫が震えているのか
はたまた沙羅が震えているのか…
その時は薫にはわからなかった。
それは仲間を失う恐怖からの震えであることも。

