建物の中から今にも力尽きてしまいそうな声が響いてきた。

瓦礫の音と混じって微かにだけれど、まだ人は居る。

「きゃあ」

リオさんが再び入ろうとすると火はもっと強くなった。

「水希!」

「分かってる!でも火がどんどんと強くなるんだ!」

「俺も妖力が強ければ…くそっ!!」

お願い、弱まって!!

「ちょっとあなた!何する気だね?!」

野次馬の中からざわめきが起きてその中からフードを被った黒づくめの人間が現れた。

野次馬を抜けると、建物の二階までジャンプして窓を割って中に入る。

けれど2階もすでに火が移っていて、人がいれる状態じゃない。

「水を僕の近くに!!」

水の入ったバケツをもった人々が僕の周りにどんどん置いていく。

僕は一気にその水を建物へとかける。

火は一回弱まるが再び燃え上がる。

「おい、どうなってんだよ!!」

妖魔を退治した薫とレオさんが僕の傍に駆け寄り事情を聞こうとするが、何かを話そうとすれば妖力が消えてしまいそうだった。

ガシャン____

派手にガラスが割れる音とともに2階は崩れていく。

「あの中にまだ人がいて、さらに人が入っていったのよ!」

「俺も行く!」

薫が飛び出すのをレオが止める。

「今壁を突き破れば、建物は崩壊する!動くな!」

薫は歯を食いしばって建物を睨む。

「出てきて…!!」

皆、動けず、じっと炎を見た。

炎の中から炎の塊が飛び出しごろごろと転がると炎は消えた。

「まさか…」

ガラガラガシャン___

建物は完璧に倒壊してしまい、やっと炎が弱くなった。

塊はバサっと黒い灰を撒きながら大きな大の字のような形になった。

そして黒い灰のなかから肌色の肌がひょっこりと出た。

「お兄ちゃん…お兄ちゃん!」

その子は黒い塊をゆさゆさとゆすった。