今度はしっかりと閉じている扉をノックする。

中からの返事を聞き、中に入るとアリアが俺の顔を見てにっこりと笑う。

「気持ち悪いな。こっちをニヤニヤしながら見るな。つか扉は閉めとけ。」

「えへへっ。清ごめん。ところで、何か用事でもあった?」

「ちょっとシンに調べ物したくて、許可を貰いに来たんだけど。」

「あら。シン?清は髪色と目を変化させれた?」

「長時間は無理だけど、なんとか。」

「よし、なら大丈夫そうね!…でも少し問題があるのよね。」

「問題?どういうこと?」

アリアは勿体ぶるように唸り、席から立ち上がる。


「どうやら…シンに怪しい動きが出てきたようよ。」

「怪しいって?」

「最近コルディアの近くに、シンの兵士がうやうやと集まってたりするそうよ。

「シンの兵士?シン族など見たこともない。」

「私も同じよ。でも、集団でコルディアの周りに集まってこちらを見ているらしい。」

「見る?」

「そう、見るだけ。ただ、それだけ。あとはなにもしないのよ。」

なんだそれは?

「なんだそれって顔してるわね。私も最初はそう思ったわ。だからついでに様子を見てきて欲しいのよ。因みになんの調べ物?」

「…あいつがリンのことについて調べてたから。俺も調べてみようと思って。」

アリアは黙って俺を見るとため息をついた。

「…薫、ね。」

「そう。」

「貴方は認めたくないと思うけど、彼女はもう敵なのよ。」

「敵なのはわかっている。でも、城に連れて行かれる前は騎士だった。」