「リンは霜崎凛ですよね?エデンとはどなたですか?」

「凛のことはご存知ですのね。エデンはシン族の神子ですの。研究所の方々はコルディアの人を実験対象者にし、失敗して…さらに他國の人々を実験対象者にしたのです。そして、わかったことは、シン族は半妖の実験にもっとも長く生きるということ。そして神子を拉致した研究所はとうとう実験に成功した。」

「2人は、半妖…?!」

「そうゆうことですわ。でもこの話にはまだ続きがありますの」

姫様は紅茶のカップを持ち上げて中に入ってる紅茶を眺める。紅茶の揺れで落ち着きを取り戻しているようでだんだんと心音が落ち着いてくると、カップを置き俺の目を見る。

「シーイング兄弟が突入したときには、凛は、同じ半妖のエデンを殺し、研究所の人間も殺していた。死体は…無残にもバラバ…」

うっ、っと小さく姫様はえづき苦しそうに口元を塞いだ。側使いがそっと背中をさする。
俺が姫様に触れることは出来ない、ただ見ているしかできなかった。


「失礼致しました…」

しばらくすると息も整いゆっくりと顔をあげるが、姫様の顔は青ざめている。

「姫様の負担になることをお聞きして申し訳御座いません。」

「いえ、私は話さなければならないの。これは、私の使命…私の罪滅ぼし。」

「罪滅ぼし…?」

「…なんでもないわ。話を戻すと、凛はこの世界で初めての半妖で、もうこの世には存在しない。」

「騎士団最強の騎士。裏切りにより兄に殺される、ということでしょうか?」

「ご存知でしたのね。そうですわ。彼は、零によって処分されましたわ…」

そのとき、姫様の音が聞き覚えのある音へと変わる。

その音は…俺も知ってる音。

「姫様は、霜崎凛のことを…」

「それ以上口にするな」

初めての姫様の側使いが声を出す。

「クレ。やめて。本当のことですもの。そんな言い方は失礼よ。」

クレと呼ばれた側使いは失礼致しましたと言って半歩下がる。

「その話はやめましょう。そうでないと私は涙が止まらなくなってしまいます。」

にっこりと笑ってるように見えるが俺には聞こえてしまう。

苦しくて悲しくて愛おしいという気持ちの音。


「こんなお話しか出来ませんでしたが何か参考になりましたでしょうか?」

「…参考になりました。一刻も早く事態がよくなるよう騎士団は全力で対応致します。本日は有難う御座いました。」

「頼みましたわ」

俺は一礼をして部屋から出る。

部屋の外には1人の召使いが俺を門まで案内するためにそこで待っていたようだ。

案内人の後を追い、門まで行くと、俺の剣を持った門番が姿勢良く立っていた。

さて…いろいろ整理しないといけないな。

早く本部に戻ろう。