「やれやれ…もう出てきたらどうだ?」
客人を見送り王は再び先客に話しかけた。
先客は柱の影から傍使いの首にナイフを当てつけながら現れ、王の目の前に立つ。
幼き姿に黒い髪。
このような姿を見れるのはなかなかないだろう。
そしてもう2人は白い面をつけている…
いったい何者なんだ。
疑問符ばかりが頭に浮かび、答えがいっこうにでてこない。
焦る気持ちばかりが出てくるようだ。
「話の続きに悪かった」
「いいえ、王様」
面をつけた客人は機械のように話すだけだった。
「…もう逃げることなど出来ぬ。時間の問題だ。」
客人は王の脅しなど関係ないとでもいうように表情を変えない。
側近たちは王の前に立ち、客人を警戒している。
兵士は隠れて弓矢を構えていた。
「…ラグ。貴様、妖魔へと戻ったか。」
お前は奴か奴の命じた人間しかその背に乗せなかったじゃないか。
命ずる人ももうこの世にいないというのに…
王は眉をゆがめ、客人の隣に座っている妖魔を睨む。
「ラグは、裏切ってないです...そして我々は王に味方について頂きたい。」
「味方?小賢しい。」
「王様はこちら側だと我々は思っています。」
「我が貴様側の人間だと?笑わせるな。貴様と一緒にするな。」
「この状況分かっていただけませんか?」
「…」
「リベトリア様…」
傍つかいが苦しそうに我が名を呼ぶ。
「もう始まっています。復讐劇が。」
客人の憎悪がその場に居た人間を驚愕と緊張の渦に巻き込む。
言葉が出なかった。

