大分やつれたな…

水希は、隈が酷く、身体中の傷が痛々しい姿だった。

「こちらに、向かう前に零が負傷したと聞いた。水希は無事でよかった。」

「…僕のせいでお兄ちゃんは足をもがれた」

もがれた…?

「おい…今もがれたと言ったか?」

小さく頷く。

「…」

「もしかしたら…もう歩けないかもしれない…」

歯を食いしばって我慢している様だが、目からは大粒の涙が溢れていた。

「水希、お前の心音は乱れている。きっとこのままの状態では、また同じように誰かを怪我させることになる。」

自分で発した言葉は酷く刺があった。

水希の涙は止まらない。

「俺もお前と同じだよ。心音が乱れてちっとも冷静になれない。守りたい人を目の前で奪われて…何やってんだよって怒りで頭の中がどうかなりそうだ。だけど、俺たちが立ち止まったり、焦ったらきっと上手くいくことも出来なくなると思うんだ。今、たくさん泣け。でも、切り替えろ。俺たちは騎士団だ。仲間が減ったり、怪我したりしても…それでも戦い続けるのが騎士団だ。」

だんだんと嗚咽混じりの声で水希は涙を流した。
しゃがみ込み、地面を濡らすほど。

ゆっくりと背中をさすると、しばらくすると声が消えた。
心音も落ち着いてきた。

「…ありがとう」

そう一言水希は発すると立ち上がり涙を拭いた。
さっきとは顔つきが違っていた。

「お待たせ。」

「それじゃ行こうか」

俺たちはゆっくりと踏み出した。

「まずは凛の拠点へと行こう」