やっとシンの城門までやってくるといろいろな国の旅人が城門の前で入門を待ち構えている。

門の前には体の大きい門番が見張り、一人一人の様子を見ている。

シンの城門をくぐれるのは武器を持たぬ商人や旅人。

騎士や他國の兵士は入門を許されない。

途中街で黒いマントと布を買い込み、そのマントを羽織り、刀を見えないように布で巻いておいた。

それを背負い、コートを入れた包みを刀にくくるとそれなりの行商のように見える。



これなら商人に見えるはず。






列に並び、とことこと続いて行く。

門番に近づくたびに心臓が、ばくばくと飛び出すんじゃないかと思うほど動いていた。

…ここをくぐれなければ意味がない。


妖力が解けないように…

精神を集中させる。






ばく…ばくっ


ばくっばく…






やけに心臓の音ばかりが体に大きく響く。




門番は俺を最初は見たが…俺ではなく、隣の人へと移り変わっていく。


そのまま。そのまま。


ゆっくりと歩き続ける。



門をくぐり終わると、そこには森が広がり…中心に賑やかな城が立っていた。

その景色は鮮やかで、風が吹き抜けて行くときに木洩れ陽が変化していく。

その変化がまるで森が人のように生きているようだった。


俺たちの住むミラよりも何倍も木々に溢れ、何倍もの生き物達が住んでいる。


「ここがシン國…綺麗だ」

思わず声が出る。