「…霜崎凛。こいつが首謀者だったのか」
一度だけ、霜崎凛に会ったことがある。
俺が騎士団の見学に行ったときだ。
学園では噂話を聞いたことがあった。
騎士団の中には、同盟國以外の騎士が異例で存在する。その騎士は身なりからしてまるで悪魔のようだ、と。
それが彼、霜崎凛のこと___
噂話通り、1人だけ黒い制服を纏い、黒髪で片目の眼帯を隠していた。
初めてアスベル族を見た。見慣れない真っ黒な髪と瞳に俺は目が離せなかった。
でも、俺より年下で、身長も低かったから、皆がいうような悪魔というよりかは、年頃の男の子というような感じだ。
けれども、霜崎凛と目があったとき…
たったその一瞬で俺の全身に鳥肌がたった。
彼は、憎悪に満ちた顔をしていたんだ。
彼を触ろうとするのであればきっと腕がなくなっているだろう。
周りに殺気を漂わせ、誰も近づけさせないように。
彼はなにもせず、俺に何も言わず…本部を出て行った。
その数ヶ月後、戦争が起きた。霜崎凛はロキ=ロレッタの協力者の可能性が高いということで、零が処分を下した。
その凛が生きていた。
あの時の恨みをはらすつもりなのか?
あぁ。だから復讐劇なのか。
でも何故いきなり、薫は道化だと言い出すようになったのか?
やっぱり脅されているのか?
いや…そんな風には思えなかった。
今までの意見をひっくり返すほどの何かが薫にあったとしか思えない。
その何かとは一体…
「わからないことだらけだ…」
とりあえずシン國へと向かう。

