「その男が凛を一度殺したのよ」

「それが逆恨みっていうんでしょ!」

「あなた…実の兄弟を殺すのを許すの?」

「お兄ちゃんは僕の実のお兄ちゃんだよ!」

ハートは口を開けて笑った。

「そうね。そういえばそうだったわね」

「馬鹿にしてるの?」

「馬鹿になんかしてない、私が馬鹿なのよ」

どういうこと___?

「放てぇ!!!」

ヒューンと風をきる音とともに数十本の矢がハートの上に現れる。

ハートは地面に転がり避ける。

「騎士団は下がれ。ここからは我々兵士団が交戦しよう。」

剣をもった鎧の集団が騎士団本部の門のところにずらりと並んでいる。

「兵士団ね…また面倒なやつらがきたわね。少しはやりがいのある相手で頼むわ」

ハートの手が炎で包まれ槍の姿が露わになる。

「女だからってなめると痛いわよ」

兵士は僕に構わず矢を放つ。

僕も弓を出して兵士と同じように矢を放つ。

「はああああああっ!」

叫び声とともに兵士たちが放った矢が燃えた。

ハートはにやりと笑うと槍を持って突っ込んでくる。

僕は脇に避けてハートに矢を放つ。

けれど燃えてしまいハートに当たらない。

兵士たちはハートの槍によってどんどんと倒されていく。

「こんなとこで隠れてたら駄目じゃん」

背後からの気配に全く気付かなかった!

後ろに振り返るとスペードのにっこりとした笑みがすぐ近くにあった。

首を締め上げられ利き手である右手を掴まれて身動きが出来なくなってしまった。

「はーい残念。…動くなよ?少しでも動けば腕折るからな」

「うっ…」

「久しぶりだな、水希」

久しぶり?___この声って

「まさか…スタンさん?」