3人がたどり着いたのは王宮だった。
「お兄ちゃんの用事ってリベトリア王に会うことだったんだ。」
水希がそう呟くと零はにっこり笑った。
「これからの事を話すためにな。さっ、2人共しゃきっとして。厄介な相手だからな!」
そして3人は兵士に連れられ王座の前に立たされた。
そこでは女かと思うほどの美しい王様が座っていた。
水のように頭から肩にかかり背中まで流れる髪や色白な肌に切れ長な目から見える濃い青色の瞳。
全てが美しかった。
王は零を見るとにやっと笑う。
その笑いも妖美で、男も女も見惚れてしまうような甘い微笑み。
思わず、皇紀は息を飲む。
その反面水希も零も冷静に対応をする。
「久しぶりな顔ぶれだな。なぁ、零よ。水希も顔を出してくれぬしな。我は寂しい。」
王は口を尖らせ、そっぽを向く。
皇紀はその時に初めて気付く。
彼らは昔からの馴染み同士ということを。
よく考えれば、水希は神子。ミラでは王宮に預けられると言い伝えられる。
零は騎士団のトップなのだ。王と馴染みなのも納得がいく。
「お久しぶりでございます、リベトリア王。相変わらず美しいお姿で」
「我は、忙しい身でな。用件とワインがないのならば帰れ」
零の冗談を王は軽く流して話を早めようとしている。
「そんな怒らないでくださいよ!ワインならここにありますし、用件もちゃんとありますから!」
それと零が言うと王の機嫌はよくなったのか、すぐさま側使いに零からワインを受け取ってもらい、そのワインのコルクをあけた。
王はワインの香りを十分に味わい、一口飲んで幸せそうにグラスを置いた。
「そこの者、見慣れない顔だな。新しい騎士か?」
そういって王は目を細めていた。
慌てて皇紀は頭を下げて自分の名と種族を答える。
「名は暮内皇紀と申し、コルディア人です。お初にお目にかかります。」
「…そうか!貴公は暮内家か」
心臓がどきりとし、さらに頭を下げて答えた。
「ご挨拶が遅れてしまい申し訳ありませんでした。」
「構わぬ。話は聞いておる。暮内殿は元気か?」
「はい、父や姉達は元気にしております。私は父達とはまだまだ比べられるほどでもなく日々騎士団で修行の身であります。」
「そうか。日々鍛錬を怠るのではないぞ。」
「はい」
深く頭を下げて零の後ろへと下がった。
水希はぽかんと口を開けて皇紀を見ているが、零は何も言わなかった。

