「古都薫、前へ出よ」

手には手錠をかけられ、王、王妃、大臣、元老。
俺が一生お目にかかることはないだろうと思っていた偉人たちが一斉に俺のことを見ている。犯罪を犯したわけでもないのに冷や汗が出て、喉が渇いた。

あの後兵士に連れられてそのまま城内に入りある一室で武器を取られ、手には手錠。と自分がまるで大犯罪を犯した犯罪者のような扱いを受ける。

これで俺は何度目かとなる手錠をまじまじと見つめながら、俺は兵士の指示通りに歩いていくと、何故かこんなとこに立たされていた。


「まず始めに、王族も出席ということで、万が一に備え貴様を拘束することになった。」

「はい」

「それでは諮問会議を始める。」

そう議長らしき人が声を上げるとぴらっと紙をめくる音が響き渡る。

「古都薫。貴様は須藤沙羅と任務上でよく共に行動をし、騎士の中でも特別に仲がよかった。そうだな?」

「はい。そうです。」

「そして今回の須藤沙羅の國の反逆行為。貴様はそれを知っていたのか?」

あぁ。だから俺は今日呼ばれたのか。
目の前の王妃は俺を突き刺すように見ていた。

「いえ、知りませんでした。確かに私はよく須藤沙羅と行動を共にしていましたが…彼女が道化ということに気づくことはありませんでした。」

「須藤沙羅が貴様がこちら側といっていたそうじゃないか。それは貴様が道化だと物語っているのではないのか?」

「私は騎士です。妖魔を倒し、國の平和を守ることが第一です。道化ではありません」

「なら何故お前は須藤沙羅にかけらを渡したのだ!」

「それは私のミスです…須藤沙羅が味方だと思っていたのでかけらを渡してしまいました。」

そのとき隣に居たミラ族が大臣に向けて首を振った。

きっとあの人は俺の心音を聞いて大臣に知らせているのだろう。
俺は犯罪者じゃないのに…

「では何故須藤沙羅は貴様がこちら側といって連れ出そうとしたのだ?」

「それは…わかりません」

「大臣、嘘の音がします」

ミラ族は俺の答えにすぐに答える。

「薫殿、嘘はいけない」

大臣はにやりとした笑いを浮かべ俺をじとっとした目でみる。

「…」

「やはり貴様も道化の仲間だったか」

「違う!…ただ沙羅が私を連れていこうとしたことに私は心当たりがあります…」

「それはなんだね?」

「私は個人で道化について調べていました。道化は復讐と言っていた…ロキが逃亡した今、復讐と言えばロキを封印した零のことを言っているのだと思うのです。」

「ほう…」

偉人たちはざわざわと声を出して何かを話している。


「ロキは3年前の戦争の張本人です。そのとき…凜という少年について知りました。彼は騎士でありながらロキ側の人間だった。そして彼はシン族だった。」

「それがなんだというんだね?」