今日も連休というヤツの途中らしいが、どうやらユータはサクラとの約束はないみたいだった。

今日のユータは、朝からダラダラと着替えもしないでのんびりリビングのソファでテレビなんぞ観ている。そんな様子は、庭のマイケルの小屋からでも嫌でも目に入る。

 サクラに会えないのは寂しいところだが、今日のところは我慢だ。昨日決めたようにマイケルの説得をしなくては。

「なあ、マイケル」

「なんだワン?」

「お前、サクラのこといい加減諦めたらどうだ?」

「なんでそんなこと言うワン? ボクチン、絶対にサクランのハートをゲットするんだワン」

「いやいや。でも、お前このまま行くといつ死んでもおかしくないぞ?」

「なんでだワン?」

 言葉とともに首を傾げるものだから腕組みしていたオイラは、思わず滑り落ちそうになる。慌てて黒毛を引っつかむと体勢を整えた。

 それにしても、マイケルは本気でわかっていないようだ。さて、どうやって説得すればわかってくれるんだ?