「おーい、みんな聞いてくれー!」
この周辺にいるであろう、あらゆる種類の昆虫に聞こえるように大声を上げた。
それに応えるようにあちこちからガサゴソという音が響きだす。人間の目に見える虫もいれば、見えない虫たちも……。
「ちょっと、おいらに力を貸してくれないか?」
「何のために、お前ごときに力を貸さなくちゃいけないんだ」
返ってきた答えはつれないものだ。だけど、ここはオイラの話術でどうにか作戦に引き込まなくちゃいけない。
「オイラ、実は人間をアッと驚かせてみたいと思ってるんだ。みんなも、人間には何かしら思うところはあるんじゃないか?」
「まあ、そりゃ文句の一つや二つじゃ収まらないぐらいにな」
どうやら、この界隈の虫たちのリーダーというものがいるみたいだ。オイラの問いかけにはすべて同じ虫が答えてくれている。
「じゃあ、その人間を少し懲らしめてみたいと思わないか?」
「懲らしめる? そんなこと言ったって、単に集団でわっと襲いかかるだけじゃないのか? そんぐらいなら、オレたちだっていつもやってることだ」
「いやいや、そんな生ぬるいものじゃなくてもっと驚くことだよ」
「そんなの、本当に出来るのか?」
「出来る出来る。人間は、オイラたち虫には知能なんてないと思ってるだろ? それを逆手に取るんだ」
さっきまで打てば響くように帰ってきていた返事が止った。もしかして、しくじったか?
そう思ったのは、杞憂に終わったようだ。
「詳しく話してくれ」
リーダー虫がやっと交渉に応じてくれた。
これで、どうにかオイラの作戦を敢行することができそうだ。
この周辺にいるであろう、あらゆる種類の昆虫に聞こえるように大声を上げた。
それに応えるようにあちこちからガサゴソという音が響きだす。人間の目に見える虫もいれば、見えない虫たちも……。
「ちょっと、おいらに力を貸してくれないか?」
「何のために、お前ごときに力を貸さなくちゃいけないんだ」
返ってきた答えはつれないものだ。だけど、ここはオイラの話術でどうにか作戦に引き込まなくちゃいけない。
「オイラ、実は人間をアッと驚かせてみたいと思ってるんだ。みんなも、人間には何かしら思うところはあるんじゃないか?」
「まあ、そりゃ文句の一つや二つじゃ収まらないぐらいにな」
どうやら、この界隈の虫たちのリーダーというものがいるみたいだ。オイラの問いかけにはすべて同じ虫が答えてくれている。
「じゃあ、その人間を少し懲らしめてみたいと思わないか?」
「懲らしめる? そんなこと言ったって、単に集団でわっと襲いかかるだけじゃないのか? そんぐらいなら、オレたちだっていつもやってることだ」
「いやいや、そんな生ぬるいものじゃなくてもっと驚くことだよ」
「そんなの、本当に出来るのか?」
「出来る出来る。人間は、オイラたち虫には知能なんてないと思ってるだろ? それを逆手に取るんだ」
さっきまで打てば響くように帰ってきていた返事が止った。もしかして、しくじったか?
そう思ったのは、杞憂に終わったようだ。
「詳しく話してくれ」
リーダー虫がやっと交渉に応じてくれた。
これで、どうにかオイラの作戦を敢行することができそうだ。

