その数日後、再びチャンスは訪れた。

 その日は、この間とは違っていい天気だった。ちょうど、人間の言うところの連休とかいうやつだったので、どうやらユータはマイケルを連れてサクラとお散歩デートと決め込むつもりらしい。

 ユータも馬鹿だな。サクラと二人で行けばいいものを、マイケルを連れ出すとは。というより、単にビビリなだけか? それともマキコママの差し金か?

 まあ、ユータがビビリなのは周知の事実だから、サクラと二人きりになると緊張するっていうのが本当のところなのかもしれないな。だから、マイケルも連れて行く。

 まあ、どちらにしろこちらとしては願ってもないことだ。マイケルだって、散歩には行けるはサクラと一緒にいられるはで文句があろうはずがない。

 それにしても、マイケルも懲りないヤツだよな。あれだけ痛めつけられておきながら、サクラにそれこそ首ったけだ。まさに、恋は盲目とでもいうヤツだろうか?

 まっ、そんなことはオイラには知ったこっちゃないけどな。それよりも、今日こそはサクラに少なくともオイラの存在を知らしめてやる。

オイラのことを認識さえしてくれれば、運命の相手のことだ、たちまち恋に落ちるはず。

 となると、さて本当にどうしたものか……。でも、幸い外ということはオイラの仲間も今以上にワラワラといる状況だということでもあるから、それを考慮に入れて……。