オイラはイヌノミのジャクソン。ノミ仲間からはそう呼ばれている。どうして、ジャクソンなのかはそう名づけたやつに聞いてくれ。

そして、オイラの寄生主は毛色が黒いラブラドール・リトリーバーのマイケル。

 このマイケルの飼い主がユータとかいういけ好かないヤローだ。綺麗好きだか何だか知らないが、ことあるごとにマイケルにシャンプーなるものをやりやがるので危なくて仕方がない。

マイケルも顔に水がかかるのが嫌なのかユータがシャンプーを持ち出すと、小屋に入り込んで踏ん張っている。しかし、結局は引っ張り出されてシャンプーを掛けられてしまうから大人しくやられていた方が楽なんじゃないかと思う。

 オイラはその間、マイケルの家の上でその様子をのんびり見学と決め込む。

一度マイケルの鼻先に乗っかったままでいたらひどい目にあったからだ。しかも、シャンプーをした後しばらくはマイケルに近づくことができないのも腹が立つ。

 それでも、オイラたちはそれなりにうまくやってきたつもりだ。ユータがあの子を連れてくるまでは。