「うん」


 私は新しいリンスを持って来た。


 恐る恐るガラス戸を開ける。


 え?


 思いっきり戸を開けた私!

 中は…





 誰もいないのだ。


 電気は点いたままなんだけど…


 私は怖くなって、お父さんの所へ戻ろうとした。


「里枝子、リンスちょうだい」


「!?」


 私は立ち止まり、浴室を振り返った!


 私が見たのは!


 浴槽から身を寄り出す、顔中血まみれの母だった!


 叔父さんから電話が入った。


 父が家の電話に出る。


「モシモシ。ああ、兄貴。何だって? 女房が息を引き取った!」



        終わり