俺は部屋の灯りをつけた。


 「咲良、適当に座ってって。」


玄関で固まってる咲良の背中を押す。


1LDkの間取り。

咲良が落ち着かない様子で
キョロキョロとまわりを見渡す。




 「麦茶でいい?」


 「うん。」


 「咲良が来るってわかってたら
紅茶でも買っとけばよかったかな。
コーヒーはあるけど咲良苦手だよな。」


 「うん。 麦茶もらってもいい?」


 「すぐ準備するよ。」


 「ありがとう。」



麦茶とコーヒーとが並ぶテーブル。

クーラーが効き始めた部屋で
俺は咲良のとなりに座った。