「咲良よく似合ってる。」 「本当。/////」 衛の言葉が照れくさくて うれしくて。 衛の横に並ぶと衛の シャツの裾を握りしめた。 「咲良~。」 香が手を振っている。 「行こうか。」 衛が手を差し出してくれる。 わたしはその手に自分の手を 重ねる。 ギュッと握りしめた手と手。 「今日はすごい人ごみだから 絶対手をはなさないように!!」 「うん。」 わたしたちは香と稔君のそばまで 歩き出した。 浴衣の裾が崩れないように。 ゆっくりと。 履きなれない下駄が涼しげな音を 立てる。