「ママ、この人怪我してるの。
わたしをかばってくれて、そしたら
手怪我しちゃって!!」


 「咲良おちつきなさい。
何があったの?」

 「わたしの目の前に植木鉢が
落ちてきたの。彼が助けてくれなかったら
わたしまちがいなく死んでた。」

 「そんな・・・。 で、咲良は怪我は?」

 「わたしは、すりむいただけ。 でも彼が…。」



ママが彼の手を取る。

 「折れてはないようね。 
咲良を助けてもらってありがとう。
怪我までさせちゃってごめんなさいね。」




ママは手なれた様子で治療していく。

 「念のため」


そういって巻かれた真っ白い包帯。


痛々しい。