目の前に広がる青。 空と海とが一体化している。 潮の香りに誘われてわたしは 砂浜を走り出す。 「咲良、気をつけろよ。」 「うん。♪」 わたしのうしろから、ゆっくりと 歩いてくる衛。 わたしは、波打ち際まで、猛ダッシュ。 麦わら帽子を手で押さえながら、 寄せてくる波に足をつける。 白い泡が足を包む。 それは一瞬の出来事で また波が引いていく。 「衛早く~!!」 わたしは、砂浜で仁王立ち してわたしを見ている衛に手を振った。