駆け出したまでは良かったんだけど
・・・。
後の事何も考えてなかった。
初めて足を踏み入れた3年生校舎。
勢いだけで来てしまって後悔してる。
周りの目線がきつい。
「ねぇねぇ誰探してるの?
一緒に探してあげるよ。
それとも、俺と気持ちいいことでも
しよっか??」
「堺やめろよ。 怖がってるじゃないか。」
そう言うあなただって笑ってる。
怖いよ。
あっという間にわたしは3年生の
男子生徒に囲まれた。
「こっちおいで。」
わたしは腕を引っ張られた。
「イヤです。やめてください。」
わたしは、廊下の壁ギリギリまで
追い込まれる。
握られた腕から、試験用紙がこぼれ
落ちた。
「衛!! 衛!! 衛!!」
わたしは大声で叫んだ。
ざわざわと集まってくる生徒達。
「ちょっとからかっただけだろう。
大声出しやがって!!」
わたしの腕を引っ張っていた
男子生徒が手を振り上げた。



