「君こそ、怪我してる。」


わたしは、彼が指さす膝を
見る。

両膝から、にじみ出る血を
確認。



急に傷みを感じる。



 「わたしは大丈夫です。
本当に助けて頂いてありがとう
ございます。」

 「本当に大丈夫?
でも、本当危ないよな。」


彼が、植木鉢が落ちてきた
マンションを見上げる。



わたしもつられて見上げた
マンション。



マンション越しに青い空が
広がっている。