「大丈夫?」

わたしをかばってくれた
男の人が身を起こす。


彼の腕の中
わたしはまだ体の震えが
止まらない。



 「あり・・がとう
・・・ございます。」



わたしをかばってくれた時に
怪我をしたのか、彼の腕から
にじみ出る真っ赤な血。


 「わ・・たし、すいません。」


立ち上がった彼の腕を
みつめる。



 「あっこれ、たいしたことない
から気にしないで。」



彼は、膝についた汚れを
叩きおとしながら、
笑みを浮かべる。



わたしに差し出された彼の右手。




わたしはその手に支えられながら
立ち上がった。