「咲良。」

砂浜に足を取られながら
衛が駆けてくる。



 「どうして・・・。」


言葉は衛の胸元に消えていく。


わたしは、おもいっきり
抱きしめられた。



 「咲良心配させるな。」

 
 「うん。」


 「俺の前から消えるな。」


 「うん。」


わたしは頷くことしかできなかった。