「じゃおやすみ。」 衛が頭を撫でてくれる。 「もう少し。」 わたしは、衛に抱きついた。 「俺、風呂入ってくるわ。 咲良も湯ざめしないうちにおやすみ。」 わたしの半乾きの髪を細く長い 指に巻きつける衛。 それだけで、無言になってしまう。 「おやすみ。」 そう聞こえたと同時に優しく くちびるが重なった。 「おやすみなさい。」 わたしは、軽く手を振った。