「トントン。」
ノックがなる。
「はい。」
「俺だけど。」
「衛!!」
わたしはベットから飛び起きた。
「いうもはノックなんて
しないのに・・・。」
「だって、なんか咲良ご機嫌
斜めだから。」
「そんなことないよ。」
「いや。絶対怒ってる。」
「怒ってないってば。」
「その言い方が怒ってるんだよ。」
「咲良ちゃんはやきもち焼いて
るのかな?」
「そん・・・・。」
そんなんじゃないもんって言おうと
思ったのに、わたしの言葉は
衛のくちびるで消えていった。
くりびるから伝わる衛の体温に
今までのイライラがスッと消えていく。



