「本当はね。パパが心配したのよ。 男の子とふたりっきりにするなんて って。」 ママが耳元で小さな声でささやく。 「パパ心配性なんだから。だからなの? ママが早かったの?」 「そうともいう。」 流しから流れる水音できっと わたしとママの会話はかき消される。 先輩には届かない。