俺は足を止めた。


そこには、自慢の長い黒髪を
バッサリと短く切って、顔も
痩せたせいか頬がゲッソリと
落ちてしまってる咲良が立っていた。



 「衛・・・。お願い
話しを聞いて。」


切実に訴える咲良の目を見ていた
ら俺の中で咲良への罪悪感と、
蓋をして認めることからも逃げて
いた咲良への想いとが溢れ出した。


俺は咲良の背中を支えるあいつの
後ろ姿を眺めながら、後ろから
無言でついていく。