俺を待っていたんだろう。 校門の前に咲良の姿を見つけた。 俺は、横ではしゃぐ彼女の言葉に 適当に付き合った。 別に今横にいるのは誰でもよかった。 たまたま、こいつだっただけ。 咲良を傷つけることだけが 目的だったはずなのに、今にも その場に倒れてしまいそうな咲良 の表情に、全てを忘れて咲良の そばに駆けていきたいと思う 衝動が頭をかすめる。 そんな俺を引きとめるかのよう に、俺の手はギュッと 握りしめられた。 俺は、咲良を無視するように その横を素通りした。