「兎が、かくれんぼの鬼だって事は、わかったでしょう?」

「うん」

「兎はね‥‥」

「うん」

「アリスになる、お姫様を見つけないと‥‥‥」

「見つけないと?」

「‥‥殺される‥‥の‥」

「は?」

殺される?兎が?

「……うぅ、だから……巻き込みたくなかったの…」

「嘘……だろ……?てか、そもそも、本当に俺が、兎なのか?」

そうだ。そこが問題だ。本当に、俺が兎なのかが問題なんだ。

「………」

「マリア?」

「奏は……兎だよ……」

「その根拠は?」

「だって、背中にタトゥーが、あるもん。」

「タトゥー?」

背中って……あれ痣じゃなかったのか?

「あのタトゥーは、兎と猫にしかない、特別なものなの。でも、兎と猫では、タトゥーの意味が違くて、奏の背中のタトゥーの意味は
『不思議の国のかくれんぼ』
って意味」

「………」

「ごめんね奏‥‥」