「あのね……」

「うん」

「さっき、アリスが言ってたでしょ。人魚姫って」

「うん」

「それ……私の事なの…」

「「っえ?」」

叔父さんと叔母さんの声が重なった。

「私は、アリスが言ってた6人のお姫様の内の1人。」

「どういう事だ?」

「私、ものごころついたときから、人魚姫の記憶があったの。唄を歌うのが大好きで、人間の世界が気になってしょうがなくて………人間の王子様に恋をしてしまって‥‥」

マリア……

「これは、私達6人のゲームなの、だから……奏は……気に……しない……で」

マリアは、泣きながら言った。

ギュッ

「か、奏!?」

俺は、マリアを抱きしめていた‥‥無意識だった‥‥

「1人で抱え込むなよ。そのゲームには、俺も関わってるんだろ?なら、抱え込まないで、ちゃんと俺に、言ってくれ」

「………」

マリアは、黙った。
それからマリアは、深呼吸をしてから、俺の目を真っ直ぐ見て………