一時間くらいたって先生が出てきた。


「どう…なんですか?」
震える手を抑えながら尋ねた。


「…ざんねんですが…お亡くなりに…」


嘘だ。


嘘に決まっている。

死んだはずがない。
   

「うっ…あっ…」


慧はソファーに倒れながら声を殺して泣いていた。