ヒタ、ヒタと近づいてくる幽霊。 その口もとはニタァと笑っていた。 「や、やだ…!」 香奈枝は幽霊に背を向けて、走りだした。 皆もそれに続く。 「先生、早く…!」 紗希は座り込んだままの先生を引っぱって立たせ、手を繋いで一緒に走りだした。 向かう先には、もう一つの出入り口がある。 そこから、なんとか逃げることができれば…!! しかし―― 『ドこ…に、行くのぉ…?』