ゾゾゾッと体中が一気に粟立つ。 紗希に弱々しい笑顔を向けて手を重ねようとしていた先生の顔が凍りつく。 それを見て、紗希は単なる気のせいじゃないと悟った。 でも、怖くて、首をめぐらすことはおろか、指ひとつ動かすこともできなかった。 『え、リー…?』 『あたしの…愛しい、ぇりー…』 「あ…ああ…」 先生がうめき声を漏らす。 その言葉がきっかけで、金縛りが解けたように、指が動いた。 「そ、そんな…」 「学校じゃ…ねぇのに…」 香奈枝と悠二もつぶやく。