愛しのエリー【ホラー短編】


「先生、先生が幽霊の子が生きてた時に同級生だったんなら、

人形がどうなったか知らない!?」



香奈枝は膝をつき、先生の肩を掴んで聞いた。



「人形…?」


先生が顔をあげて、香奈枝を見た。



「そう、人形。あの幽霊は人形を探してるんだから、

昼間に人形をわかりやすいトコに置いておけば、勝手に成仏してくれるかも!」


その言葉に、皆も香奈枝に注目する。



でも、先生は顔をゆがめた。



「…無理よ」


「え?」



先生の声が小さすぎて聞き取れなかった香奈枝は、聞き返した。



先生は両手で顔を隠しながら、叫んだ。



「だって、人形はわたしが燃やしたんだもの…!!!」