先生は眉を寄せる。 「愛しのエリー?」 「学校の七不思議のひとつなんです。先生もここの卒業生ですよね? 知ってます?」 「七不思議にそんな話あったかしら…」 先生は考え込むように言った。 「階段で亡くなった女子が人形を探して校舎内をさまよってるらしいんです」 「階段で…、人形…!?」 香奈枝の言葉に、先生の顔色が変わった。 その変わりように、香奈枝までびっくりする。 「は、はいっ」 香奈枝がうなずくと、先生はさっきまでよりもずっと怖い声を出した。 「あなた達、帰りなさい」