車内に響く二人の息遣いがより気持ちを高ぶらせる

いつもより時間をかけて愛してくれる田崎さんは

『余裕無くてごめんな…』
なんて 少し照れた顔をして何度も唇を重ねてきた
余裕無いのは私も同じ

狭くて暗い車内で愛しあっていると外が静かな事もあってまるでこの世界に私達しかいない様なそんな錯覚に陥った

それはこれから先見知らぬ土地に住む私達にとっては不安と希望が混ざった複雑な気持ちとも似ていて…

この先喜びも悲しみも一緒に支え合って生きていくのはこの人なんだ…と言う気持ち

切なくて愛おしくて…
言葉では伝えきれない深い気持ちを伝え合う…

その夜はホテルに行った後もずっと私を離さない田崎さん

きっと初めての転勤と結婚を間近に控えている事で今夜は気持ちが溢れているんだよね…

私は受け止めてあげられたかな…


寝る間際、ぐったりしている私の耳元で

『ちょっと激しかったかな?俺の愛は深いだろ?』

『……うん。沢山愛を感じたよ』
と、私も調子に乗って答えると

『官舎壁薄いからさ〜麗奈の声、今日沢山聞けたから良かった♪』

え!!

なんだ…エッチなだけだったのか(怒)