田崎さんの腕から逃げ出そうとしたら今度は腕をガッシリと掴まれ

『そっか そっか 麗奈積極的♪早く部屋行こうな?』
『ちがうっ!誰に見られるかわかんないじゃない!
それに…部屋ってどこ?官舎はもう入れないんだよ?』

『ん?知ってるよ。今夜は市内のホテルに麗奈も一緒に泊まるから。』

『え?朝自宅に寄ってくれるんでしょう?』

『さっき麗奈のお母さんと話していたら急遽決まってさ…今から麗奈の家に寄ってからホテルに行くぞ』

なんだか凄い強引…

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さっさとお母さんから荷物を受け取り挨拶をしている田崎さん

私はただポカーンとしていた
お父さんはまだ帰宅していなかったけれど、お母さんと亜美に盛大に見送られた
ホテルに向かう車内はあの想い出の場所に向かう…







『麗奈 着いた。ほんの数ヶ月前の事なんだけど懐かしいな…』

そう…そこはお互いの気持ちが通じ合った港の見える公園

今は雪景色で残念な事に船は泊まっていなかったけれどあの時は本当に綺麗だった

『麗奈 …………
……知らない土地で苦労かけるかもしれないけれど、二人で頑張ろうな』

ふっと視界が遮られた