……………


『高瀬君 君の目から見てどう感じているかはわかった。
けれど俺は麗奈を手放すつもりなんか無いよ。

確かに麗奈に寂しい思いをさせてしまった事もあるけれどそれは俺と麗奈の問題で君にとやかく言われる筋合いは無い。



麗奈…行くよ。』


私の手を強く握る田崎さん

『でも俺は!』



『高瀬君 ごめんなさいね。私は大丈夫、彼に大切にされているから…心配かけちゃったみたいだね。ありがとう。』


『……麗奈ちゃん……』


高瀬君は切なげな表情をしながら私を見つめてきた


そんな顔しないで…



私は田崎さんに手を繋がれたままその場を後にした


無言でスタスタ歩く田崎さん



近くの駐車場に停めていた車の前に私を立たせいきなり田崎さんが抱き着いてきた




『麗奈…俺はお前を不安にさせているか?
……………
………
確かに水野の事や仕事で会えない日が多くて麗奈に我慢させてばかりだったよな…



この結婚も急過ぎて…
俺の都合だし…

あの男の言う通りなのかもしれない

けれど俺は麗奈じゃないとダメなんだ…』