車まで送る…と言う田崎さんは外まで来てくれた

『麗奈 気になる事があったらちゃんと俺にきけよ。麗奈に知られたくない事なんか無いんだから…知らない他人の言葉じゃなくて俺や俺達が信頼できる人の言葉を信じて…』

いつになく慎重な言い方に違和感が残った
車に乗り込む時肩を抱かれ田崎さんの胸に寄せられたそっと左手を握り

『明日電話するよ。遅くなったらメールな…気をつけて帰れよ』

……………チュッ

じゃ!
と言ってドアを閉めた

車のバックミラーに写る田崎さんは私が見えなくなるまでじっと立っていた

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『隠れて無いで出て来いよ』

……………『田崎君』


『自宅まで来て、携帯に電話して…おまけに待ち伏せとはただ事じゃないな…何の用だ』

『ここだと目立つから家に入れてょ』

『は?…意味わからねぇな。俺は前に断ったよな?』

『彼女が朝比奈麗奈さん?』

『なに?何で名前知ってるんだよ』

『……随分若いのね。私と付き合っていたのに彼女の事引きずっていたなんて…私は本気だったのに…貴方は私をちゃんと見もしなかった!こっちに戻ったらその子が彼女だなんて…許せない!』