君がいた




「……や…だ…


……やだ!!!」

夢は、涙をこぼしながら言った。







「夢は、悪くないもん!!!




藍が、姫華のこと姫って呼ぶからいけないんだもん!!!





姫華は姫華で姫なんかじゃない!!!」
夢は、そう言ってその場に泣き崩れてしまった。






鼎達は、どうして良いのかわからずおどおどしている。






あたしは、しゃがみ込み優しく言った。





「夢が言いたいことはわかるよ?






あたしは、確かに姫華だし姫って名前じゃない


それに、そうやって呼ばれるのを嫌ってるよ?」





あたしは、夢のことを抱きしめた。



「…でもね







あたしは、べつに良いの








姫って呼ばれたって









そのかわり、あたしの大切な人が姫華って呼んでくれたらそれで…




夢は、あたしのことちゃんと姫華
って呼んでくれるでしょ?」

あたしは、夢を離してニコッと微笑んだ。