運命以上。 ~野生児女とフェロモン男~







「…ひぃぃぃ!!じょ、女難っ!!!」



…ムラムラ男子は、エリを指さし、、顔に恐怖というか、警戒色をうかべながら、そう叫んだのだ…。


その声に…
にぎやかだった講義室が一気に静まりかえった;





見れば、教室を出ようとしていた周りの生徒達は、みんなその場に凍りつき、そして困惑したようにポカーンとしている…




不運なことに巻き込まれたスガちゃんは真っ青になり…


その隣にいた田上クンは……特に変化はなく無表情…。





やがて、・・・奇声を発した張本人のムラムラ男子も、周りの視線に気づき、ハッと我にかえった。



恐る恐るエリを見ると…、


目を際限なく見開き、わなわなと唇をふるわせている…。





さ、最悪だ!!








しばしの沈黙が続いたあと、ギャラリーたちはひそひそ話をはじめる。


スガちゃんはこれ見よがしに、『さ、先にいってるねー!』と小声で呟き、田上君を連れて消えてしまった・・・;




先に沈黙に耐えれなくなったのは、ムラムラ男子のほう。

「あ、あの・・・」


と、エリに声をかけようとしたのだが、


それと同時に、エリは口を開いた…




「じょ、女難ってなによっ!!!確かに私、あなたのことをいやらしい目で見てたけどっ!!!!!でも、まだ何も迷惑なんかかけてないじゃないっ!!!・・・被害妄想もたいがいにしろって話だよっ!!」






…エリのストレートすぎるカミングアウトに、その場の全員がドン引きしたものの、


…なにかよくわからない感動がその場を駆け巡ったのだった・・・。