『ヨロシクね、千里』


スッと、差し出された白くて暖かい手。








それを戸惑いながらも頬を赤らめて握ったあの日のコト、

私は決して、忘れたりはしないよ、秋人くん―――・・・・・。








アレは、よく晴れた日だった。


小学校1年生の、秋の日だ。






2学期が始まったその日、私は彼に出会った。


優しくて、なんでも出来る君に、一目惚れだった。







たまに、ふざけてちゃん付けして呼ぶ声がスキだった。





何より、私のワガママをなんでも聞いてくれるのがスキ。






私の世界はいつも秋人くん中心だったんだ。




手はいつも繋がれてて、いつも、暖かかったんだ―。